ナルトは何故、サクラを好きだと言っていたのかという呟きとなります。サクラは見た目と服装が可愛いですが、本当にそれだけが理由なのでしょうか？僕は違うと思ってます。
結論から申し上げるとナルトはサクラに対して一種の憧憬の様なものを抱いていたのではないでしょうか？それは、好意の一種である事は間違いないんだけど恋愛のそれではない。少年時代、余計、人間関係での感情の機微に関する人生経験が足りない状態でしたので、それを恋愛だと勘違いしたのではないでしょうか？サクラはナルトの父親であり四代目火影の波風ミナトからも母親のクシナに似ていると言及されるほどです。つまり、ナルトの「サクラちゃん」呼びにはどこか「母ちゃん」であったり、「姉ちゃん」の要素が入っていたんだと思います。言わば、ナルトとサクラは姉弟であり、母子関係の様なものだったのです。
幼少期のナルトはどんな生活だったのかというと基本的には孤独&孤独の毎日（子供世代ならシカマル等はいましたけど）でした。テウチさんとイルカ先生、放任気味の三代目火影位しか親しくしてくれる人はいないのが現状でした。まだ幼いナルトを無視するのは勿論のこと里ぐるみでの迫害をされてきたわけです。
一方、サクラはどうかというとこちらもこちらで本編開始時の明るく勝ち気な性格からは想像つかないほど別人レベルで気が弱く、泣き虫、内気ででこが広いことを理由に虐められていた訳です。当然、アカデミーの事ですのでナルトもその事は知っていたと思います。ナルトは自分に似た境遇の彼女に親近感を覚えたのではないでしょうか？ただ、ナルトとサクラの違いがこの後に起こります。サクラの親友のいのの存在ですね。彼女は、額を隠す為に前髪を伸ばしていたサクラに対して「それって隠してるから余計バカにされんのよ」と言い、リボンをプレゼントします。以降、前髪をリボンで分ける様になり、いのとは親友になり、今の性格へと変化しました。交友関係も広がったのはいのの影響といっても過言ではないでしょう。
ナルトはこの一部始終を見ていてどう思ったのでしょうか？自分と同じ様な境遇の娘が、親友の助言はあれど、内面も大きく変化して克服し、人間関係も広げていったという事に自分もこうなりたいという憧憬ではないでしょうか？また、ある種の敬意（もしかしたら、一種の宗教化までしてたのかもしれません）もあったと思います。これらが混じり合ってサクラちゃんへの好意に繋がったのではないでしょうか？
自分では決して変えられないからという訳ではないと思います。ナルトは火影になってみんなを見返してやるというのが物語の原動力だからです。本当にそう思ってたのなら物語自体が始まらないので。でも、間違いなくサクラの存在がNARUTOという物語を始める起点となったと言えるでしょう。
